はじめまして。 たにざわ歯科クリニック 院長 谷澤 和紀と申します。
私がメールマガジン「まぐまぐ」に連載していたものをホームページ用にリメークして登場させました。
注意事項
◎一般の方向けの内容なので、厳密な医学用語は使用してい ません。
医学的な専門性から考えた場合、妥当でない表現があると思いますが、
 なるべく平易な表現を使用するようにしてい ます。
◎体の状態は個人によって異なっています。
◎現在治療中の方は かかりつけの主治医と相談をしてください。
 第2号 フィンランドという国を知ろう
フィンランドという国の名前は、キシリトールガムのCMで、すっかり お馴染みになりましたが、それ以前は、冬のスキー競技の
 TV中継でしか 見たことがありませんでした。 (地理が苦手な私だけかも^^;)  
日本とは、ロシアをへだててお隣りの国。
ロシアがあまりに大きすぎて 感じませんが、フィンランドは、もっとも近いヨーロッパの国なんです。
国名 フィンランド共和国 首都 ヘルシンキ国土面積 約33.7万平方キロメ−トル(日本の90%) 
 人口   約510万人(日本の5%弱)  物価  コーヒー一杯200円  ミルク1リットル125円  牛肉1キロ1,500円 
 大学卒の初任給 27万5干円  生活水準 高度先進国型  食費20%  嗜好品4%  光熱費18%   
 レジャサーピス分野 40%  住宅の平均的広さ 70平米   一人あたりのスペース 27平米  借家住まい30%  
 別荘25万戸(すごっ!)  直接税  地方税 15〜18%  所得税 累進課税  課税所得の最高80% 間接税16%
 (主として売上税)  各種の支払い金を含めた総税率は36〜38%ととても高いけど、昔、地理で習った「ゆりかごから墓場まで
 の高福祉国家なんです。
税金が高い分、社会保障の充実ぶりはみごとです。
女性の権利を大切にする国
フィンランドは、男女平等という概念を世界に先駆けて確立した国です。
個人の権利をそれぞれのものとして確保し、仕事においても家庭においても個人の権利は守られています。
ニュージーランドについ で、世界で2番目に、婦人参政権(1907年)を認めた国です。
女性の政治への関心は非常に高く、投票率は80%を超えます。
女性の社会進出を助けるさまざまな制度
フィンランドでは、女性の社会進出を支える政策を、他国に比べ早期に導入しています。
したがって、女性の40〜50%がパート労働をしているスウェーデンやノルウェーと違って、フィンランドの女性パート労働者は
 わずか10%ほどです。
7歳以下の子供を持つ女性でも4分の3がフルタイムで労働に参加しています。
保育所・託児所
これは出産と育児手当という社会保障があり、さらに小学校入学前の利用者本位の「柔軟性のある託児施設」が地方自治
 体から提供されていて、安心して働くことができるからです。
職業を持つ女性が安心して家庭を築き、出産できるという社会保障があるからこそ、女性の社会進出が可能となり、他の先進 
 諸国と比較して、高い出生率を維持できたのです。
うちの歯科衛生士さんも、こんな制度があったらな〜て言ってました。
育児保障制度が出生率低下歯止めの最大の理由  
フィンランドでは大半の女性がフルタイムで働いています。
しかも出産や育児のために退職するということはあり得ません。
これを支えているのが育児保障制度です。  
フィンランドでは出産をすれば両親のいずれかが、子供が3歳になるまでの間に育児休業を取ることができます。
この期間中、雇用者はいかなる理由があろうとも解雇は禁止されていて、復職後も休暇前のポジションもしくは同等の職場に
 戻れることが保障されているのです。
さらに子供が学齢期に達するまで、「部分的育児休暇」を両親のどちらかが取ることができます。
この制度も育児優先という個人の権利として保障されています。
仕事をやめたくないから、出産年齢が高くなっている場合もたくさんあるんでしょうね。
それだからこそできた虫歯予防
出産を控えた母親とその子供のケア、は各地方自治体で行われてい  ます。
出産を控えた母親の大半は、自治体の健康保健センターに通い保健婦の指導を受け、妊娠期間中にはセンター所属の
 医師の診察を2 回受けることができ、それらの費用はすべて無料で提供されています。
さらに、健康保健センターの幼児・小児部門では、新生児から学齢期までの子供の健康相談が行われ、学齢期になると、
 学校健康センターにそのシステムが移管されます。
しかも義務教育の9年間(小、中学校)は無料で医療が提供されるようになっています。
さらに18歳未  満を対象とした医療施設での医療提供は、7日を超えるものに対しては無料という保障制度があります。
また、歯科医療に関しても、出産を控えた母親と子供に関して、健 康保健センターと学校健康センターで、
 無料で治療が受けられます。
今回のポイントは、・・・・・  
・フィンランドってどんな国?  ・女性の社会進出について  ・それをささえる制度について 以上今回の内容でした。
第3号は、いよいよフィンランドの虫歯予防の実情についてお話します。  最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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 第1号  予防の時期『3 ・6 ・12の法則』