さて、今までフッ素についていろいろと説明してきましたが、 |
今回はフッ素がどのように虫歯を予防するのかを説明していきたいと思います。 |
このあたりのことが気になっていたお母さまも、いらっしゃったと思うのですが、少し化学の授業の |
話のようになってしまうため、後回しになっ てしまいました。 |
なるべくかみくだいて、お話しするつもりですが、私も化学は苦手だっ たため、説明不足になってしまうかもしれません。 |
ご容赦ください。 |
●フッ素ってなに? |
フッ素とは地球上で18番目に多い元素です。 |
土の中にたくさん含まれ ています。 |
化学の記号で書くと『F』になります。 |
ちなみに炭素は『C』になります。 |
ダイヤモンドはこの『C』の結晶なんですよ。(^_^) |
食べ物にも多く含まれています。 |
特に多く含むのは「お茶」と「海草」 ですね。 |
人が生きていくうえで、必要な必須微量元素の一つでもあります。 |
歯や 骨の健全な発育のために、必要とされます。 |
とはいえ、とり過ぎると害が あるのは、前々回にお話ししたとおりです。 |
●フッ素の虫歯予防メカニズム |
人の歯や骨の大部分は、カルシウムの結晶でできています。 |
この結晶を 「ハイドロキシアパタイト」といいます。 |
化学記号で書くと、Ca10(PO4)6(OH)2 となります。 |
覚えなくても大丈夫ですよ(笑) |
一般的にアパタイトと呼ばれていて、「芸能人は歯が命」のキャッチフレーズで有名な、歯磨き粉の「アパガード」も |
アパタイトをガードする、 という意味で名付けられた・・・のだと思います。 |
アパタイトは歯の表面にある、とても固い部分の「エナメル質」のほとんどを占めています。 |
エナメル質の97%がアパタイトです。 |
エナメル質は、ダイヤモンドの粉を付けた機械でないと削れないほど固い部分なのですが、所々にアパタイトの |
結晶の弱い部分があります。 |
フッ素はアパタイトにくっついて、「フルオロアパタイト」という物質 になり、エナメル質の弱い部分を |
補修してくれるのです。 |
虫歯は、お口の中のばい菌が出す酸によって、歯の表面のカルシウムが溶け出してしまうことで起こるのですが |
(これを脱灰といいます)、フッ 素のおかげでカルシウムが溶け出しにくくなるわけです。 |
また、カルシウムが溶け出しても、歯の表面に穴が開く手前までなら、またカルシウムが戻ってきてきます。 |
(これを再石灰化といいます)フッ素はこの再石灰化を促進する働きがあるのです。 |
また、フッ素にはそれ以外にも、お口の中のばい菌の働きを弱める働きもあります。 |
●しかし、過信は禁物! |
以上、お話ししたように、フッ素にはすばらしい働きがあるのですが、その働きはそれほど強いものではなく、 |
実験上はそうなる、という部分もあるため、フッ素を使っていれば大丈夫!!というわけではありません。 |
ふだんの食生活や、歯磨きに気を付けていただき、その手助けとしてフ ッ素を使っていただく、というのが |
フッ素との正しいつきあい方であるこ とを、最後に強調させていただきます。 |
■今回のポイントは・・・・・
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・フッ素はどのように虫歯を予防するのか。 ・フッ素だけではダメです。
以上今回の内容でした。
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次回は、一押しの「フッ素入り歯磨剤」をご紹介します。 最後までお読みいただきありがとうございました。 |