はじめまして。 たにざわ歯科クリニック 院長 谷澤 和紀と申します。
私がメールマガジン「まぐまぐ」に連載していたものをホームページ用にリメークして登場させました。
注意事項
◎一般の方向けの内容なので、厳密な医学用語は使用してい ません。
医学的な専門性から考えた場合、妥当でない表現があると思いますが、
 なるべく平易な表現を使用するようにしてい ます。
◎体の状態は個人によって異なっています。
◎現在治療中の方は かかりつけの主治医と相談をしてください。
 第10号 歯並びが悪くなる原因(前編)
前回は子供の歯並びについてお話をさせていただきましたが、今回は歯並びが悪くなる原因に
 ついてもう少し詳しくお話ししようと思います。
歯並びを悪くする原因には大きく分けて次ぎのようなものがあります。
1.遺伝的、先天的な原因   
2.悪習癖(←悪い癖のことです)によるもの   
3.虫歯など他の歯科疾患が原因になるもの  
遺伝的、先天的な原因について
生まれつきの様々な原因によって、歯並びが悪くなってしまう場合があります。
例えば、歯並びが悪くなる要因の一つに、アゴの大きさが小さいため、歯が並びきれない」というものがあります。
このような場合、親御さんも同じような悩みを持っていらっしゃることが多いようです。
生まれつき舌が大きいお子さんの場合は、舌が歯の並びを外側に押してしまう場合があります。
生まれつき歯の数が多かったり、少なかったり、歯の大きさが大きかっ たり小さかったりするお子さんもいらっしゃいます。
この場合も、きちん と歯が並ばない場合が多いです。
また、「唇顎口蓋裂」といって、お母さんのお腹の中で赤ちゃんが成長するときに、お口のできる段階で
 問題が生じてしまい、唇が割れた状態で 産まれてくる場合があります。
くちびるの形は、外科的な形成手術で治す ことができますが、成長するにつれ、歯並びに影響がでることがあります。
口呼吸(こうこきゅう)について
生まれつきお鼻が悪かったり、扁桃腺が大きかったりするお子さんはお鼻で呼吸をすることが難しいため、
 いつもお口で呼吸することになり ます。
そのようなお子さんを観察すると、「ぽかん」とお口が開いています。
お鼻で呼吸することができても、唇の周りの筋肉が弱いために、いつもお口が開いているお子さんもいらっしゃいます。
唇がいつも開いているとどうなるのでしょう?。
歯は舌と唇やほっぺたの間にはさまれて両方から圧力を受けています。 
その結果ちょうどバランスの良い位置におさまるのですが、唇の筋肉の 力が弱いと舌におされて
 外側に押されてしまいます。
このような理由で口呼吸のお子さんは、いわゆる「出っ歯」になってしまう場合が多いのです。
対処としては、お鼻の悪いお子さんは耳鼻科で治してもらう必要があります。
お鼻の通りが悪いと、集中力の妨げになってしまうこともあるようですし、
 あとは、唇のまわりの筋肉を鍛えることです。
昔から、大きめのボタン(直径3〜4センチ位でしょうか)に丈夫なヒモを通して、ボタンを口でくわえて
 ひっぱる、という方法が行われてきました。
最近では便利な商品が出ていて、プラスチック製の器具を唇に引っ掛け て筋肉を鍛える製品があります。
当院では『パタカラ』という製品を患者さんに使っていただいています。
これは特許が認められた製品で、まんべんなく唇を鍛えられるため、使いやすいと好評をいただいております。
次回は生まれつきでない、成長する段階で歯並びを悪くしてしまう原因 についてお話しさせていただきます。
今回のポイントは・・・・・
・生まれつきの原因で歯並びが悪くなってしまうこともあります  ・口呼吸とは  ・その対処方
以上今回の内容でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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 第1号  予防の時期『3 ・6 ・12の法則』
 第2号  フィンランドという国を知ろう
 第3号  フィンランドの虫歯予防事情
 第4号  『フッ素は毒!』って本当?
 第5号  フッ素の正しい使い方
 第6号  フッ素はどうして虫歯を予防するの?
 第7号  『ハミガキコ』の話
 第8号  フッ素洗口とは?
 第9号  子どもの歯並びが気になり始めたら