今まで、どうしたら虫歯にならないか、という予防のお話をさせていただいたのですが、 |
そもそも、なぜ虫歯という病気が起こるのかをお話します。 |
『虫歯』はみなさんにとって、かなり身近な病気だと思うのですが、どうして歯に穴が開いてしまうかご存じでしょうか? |
●犯人は「ばい菌」です |
虫歯をすごく簡単に説明すると、お口の中のばい菌が「酸」を出して、歯を溶かしてしまうことです。 |
歯はそんなに簡単に溶けてしまうのでしょうか? |
歯の表面には『エナメル質』という、とても硬い部分があります。 |
ダイヤモンドの粉を付けた器械でないと削れないほどです。 |
こんなに硬い「エナメル質」も、長い時間「酸」がくっついていると、溶け出してしまいます。 |
金属がさびてしまうのと似ていますね。 |
「酸」とはすっぱい味のするものを全般的に指すのですが、「すっぱさ」 を測る単位に「ペーハー(pH)」というものがあります。 |
このペーハーが 小さいほど、すっぱい酸です。 |
理科の実験でお馴染みの塩酸が、 ph1 |
レモン汁が ph2.5 |
コーラなどの炭酸飲料が ph3 |
ワインが ph3.5 |
ビールが ph4.5(すっぱくないですけどね。炭酸のせいですね)
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「エナメル質」は ペーハー5.5以下で溶け出すといわれています。 |
こう書くと、驚かれる方がいらっしゃると思います。 |
コーラやワインで 歯が溶けてしまうことになってしまいますからね。 |
でも大丈夫です。 |
飲み物がそんなに長い時間、お口の中に入っているこ とはありませんし、 |
すぐに「だ液(つば、よだれ、のことです)」で洗い
ながされてしまいますから。 |
ばい菌は長い時間をかけて、じっくりと歯を溶かします。 |
ばい菌は歯垢 (しこう)と読みます。 |
歯の表面に付いているネバネバした汚れのことです。 |
プラークともいいます)の中で酸を出すので、「だ液」で洗い流されにくいのです。 |
歯ブラシを毎日しっかりして、歯垢を取り除いてあげると、ばい菌が歯を溶かすチャンスがかなり減ることになります。 |
また、乳歯や生えたばか りの永久歯の「エナメル質」は、まだ柔らかいので、このような歯がある時期は、 |
なおさら注意する必要があるわけですね。 |
●なぜ虫歯菌は酸を出すのでしょう? |
このように、虫歯菌が酸を出す、といった悪さをすることで虫歯ができてしまうのですが、 |
虫歯菌も「人間を痛めつけよう」と思って酸を出して いるわけではないのです。 (たぶん・・・)
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現在、虫歯の原因菌といわれている主な菌に『ミュータンス菌』と『乳酸桿菌』がいます。
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この『不溶性グルカン』は読んで字のごとく、水に溶けにくい物質で 虫歯菌はこの中で大繁殖します。 |
これらの虫歯の原因菌は「糖分」(砂糖などの甘い物ですね。 |
米やイモに含まれるデンプンも糖分ですよ)を栄養にしていて、糖分を食べたあとの排泄物が酸なのです。 |
砂糖は虫歯の原因であるとよく言われますが、『ミュータンス菌』が砂糖を食べると酸のほかに |
『不溶性グルカン』という歯垢の素も作ってしまうからです。 |
虫歯菌にとっては高級マンションみたいなものです。 |
歯垢とは、ばい菌と『不溶性グルカン』が合わさったもので、歯垢1ミ リグラムのなかに1億匹以上いるといわれています。
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虫歯菌が洗い流されにくい歯垢のなかで、せっせと酸を作るため歯に穴が開いてしまうのです。 |
歯垢は歯ブラシでしか取り除くことはできません。 |
歯垢を取り除くこと で虫歯菌のすみかを奪い、勢力を弱めることができるのです。 |
次回はお口の中のばい菌について、もうすこし詳しくお話いたします。 |
■今回のポイントは・・・・・
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・虫歯の原因 ・酸について ・歯垢について 以上今回の内容でした。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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