前回は「だ液」の重要性についてお話しさせていただきました。 |
今回は 「だ液」と虫歯の関連性についてお話ししようと思います。 |
だ液の性質のうち、虫歯と関わってくるのは『洗浄作用』『緩衝作用』 『再石灰化作用』です。 |
これらの性質については、前回までに何回か説明 させていただきましたよね。 |
『洗浄作用』は、お口の中の汚れを洗い流す作用です。 |
ホースでお庭の掃除をする場面を想像していただくと、やはり水を勢いよ く出して大量の水を使ったほうがきれいになりますよね。 |
(水道代がかか ってしまいますが・・・) また、庭の隅の方など、水の流れにくい場所は掃除しづらいと思います。
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お口の中も同じように、粘りけの少ない、さらさらの「だ液」がたくさん 出てくれたほうが虫歯にもなりにくいのです。 |
そして、「だ液」の流れの悪い部分は虫歯になりやすいのです。 |
下の前歯は最も虫歯になりにくい場所だといわれています。 |
これは舌の裏側に「だ液」がよくたまること、舌が動いて「だ液」の流れ がよいおかげです。 |
反対に、上の前歯の、歯の間の部分は虫歯になりやすい場所です。 |
寝ている間は「だ液」の出る量がかなり減少します。 |
舌などのお口の動 きも少なくなります。 |
寝ている時に「ムニャムニャ」とお口は動いていますが、起きている時の 無意識の動きと比べると、格段に少ない動きなのです。
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「虫歯は夜作られる」と言われる所以です。 |
『緩衝作用』は酸を弱める作用です。この作用の強さも個人差があります。 |
「だ液」に含まれる「重炭酸塩」などの成分の量によって変わってき ます。 |
歯はカルシウムとリン酸が主成分です。特に歯の表面のエナメル質は99 %がこの成分です。 |
「だ液」の中にもカルシウムとリン酸が溶けています。(これをイオンと いいます。 |
カルシウムイオン、リン酸イオン) 歯の表面は、日常、食べものの中の酸や虫歯菌の出す酸で溶かされます。 |
歯ブラシでも歯の表面には目に見えない小傷が付いているのです。 |
このような傷が歯の表面にできたときに、「だ液」の中のリン酸イオンと カルシウムイオンが傷の部分にくっついて、埋めてくれるのです。 |
ただこの修復能力は、ごく小さい傷にしか発揮されません。 |
穴が開いてしまった虫歯はいつまで待っても埋まりませんよ。(^_^) |
最近は、この『再石灰化作用』を向上させる目的のガムも発売されていま すよね。 |
テレビCMで聞いたことがあるかもしれませんが、グリコ のポスカムなどです。 |
ちなみに、リン酸を化学記号で書くとPO、カルシウ ムはCaです。POすCaむ(ぽすかむ)ということなのでしょう・・・
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キシリトールにも再石灰化を向上させる作用があるといわれています。 |
●『だ液検査』 |
これまでお話ししたように、「だ液」の性質には個人差があり、この差 が虫歯になりやすさの「差」に少なからず影響を与えています。 |
前に、お口の中の細菌検査についてお話ししましたが、「だ液」の性質 も比較的簡単に知ることができます。 |
だ液検査は通常、細菌検査と同時に行います。 |
歯科医院で行っておりますので、お尋ねください。 |
御自分やお子さんの「虫歯になりやすさ」をかなり正確に知ることがで きます。 |
このことが、お子さんの「虫歯予防の意識」を高める手助けにな ると思います。
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■今回のポイントは・・・・ |
・だ液の作用と虫歯の関連 ・だ液検査について 以上今回の内容でした。 最後までお読みいただきありがとうございました。
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