はじめまして。 たにざわ歯科クリニック 院長 谷澤 和紀と申します。
私がメールマガジン「まぐまぐ」に連載していたものを
  ホームページ用にリメークして登場させました。
注意事項
◎一般の方向けの内容なので、厳密な医学用語は使用してい ません。
医学的な専門性から考えた場合、妥当でない表現があると思いますが、
 なるべく平易な表現を使用するようにしてい ます。
◎体の状態は個人によって異なっています。
◎現在治療中の方は かかりつけの主治医と相談をしてください。

 第24号 「子供の口臭について」


先日、4才のお子さんがいる知人から、
 「最近、うちの子供の口が臭うん だけど」と相談を受けました。  
お子さんに限らず、人間には多少の口臭があるのは自然なことであり、
 親御 様や御本人の「気にしすぎ」であることが多いのですが、
 明らかに異常な口臭 がする場合はいくつか原因があるようです。  
ちゃんと歯ブラシをしているのに強い口臭がある場合の最も多い原因は
 口呼吸(こうこきゅう)であると言われています。  
人間に限らず「ほ乳類」は本来、鼻で呼吸するようにできています。
口で呼吸をするのは人間だけであり、そのおかげで「しゃべる」と
 いう能力 を獲得できたのだといわれています。
お子さんを観察してみて、いつもお口が「ぽかん」と
 開いているようでしたら 、口呼吸をしてしまっている可能性が大きいです。  
なぜ、口呼吸で口臭が起こってしまうかというと、
 常にお口で呼吸を行っているために、お口の中が乾燥してしまうことに原因があります。
本来、お口の中は「だ液」で常に洗い流されているのですが、
 乾燥状態であると、 細菌が異常繁殖してしまい、悪臭の原因物質を産生します。  
また、のどの奥にある「扁桃腺」などの免疫を司る場所も乾燥してしまうため、
 免疫力が低下してしまうとも言われています。
このことがアトピーやアレルギー にも関連しているのではないか、
 という研究もされているようです。
口呼吸の原因としては、お鼻の通りが悪く、お鼻が詰ってしまっている
 ために お口で呼吸せざるをえない場合があります。  
風邪などのために、一時的にこのような状態になっている場合は
 様子を見てい ただくだけで良いのですが、慢性的にお鼻が
 詰っている場合は耳鼻科の先生に 御相談された方が良いでしょう。  
また、お口のまわりの筋肉の発達が良くない場合にも起こります。
お口のまわりの筋肉が弱いと、無意識の状態では唇を
 閉じることができないため お口で呼吸するようになってしまいます。  
離乳やおしゃぶりを外すのが早すぎると、お口のまわりの筋肉の
 発達を妨げる といわれています。
このような場合には、お口のまわりの筋肉を鍛える器具や
 方法がありますので 歯科医師に御相談ください。
口呼吸以外にも、便秘気味である場合、発熱などで体力が消耗している
 ときにも 一時的に口臭が強くなる場合があります。 
口臭を指摘されることでプレッシャー を感じてしまうお子さんも
 いらっしゃると思いますので、お子さんの体調と合わせて 気を配ってさしあげてください。
今回のポイントは・・・・
   ・子供の多少の口臭は心配ありません
   ・口臭が強い場合には、口呼吸、体調の変化をみてあげてください。
   以上今回の内容でした。
 最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 第1号  予防の時期『3 ・6 ・12の法則』  第21号 「虫歯の進行を止めるお話」
 第2号  フィンランドという国を知ろう  第22号 「歯にくっつくプラスチックのお話」
 第3号  フィンランドの虫歯予防事情

 第23号 「歯を削る機械のお話」

 第4号  『フッ素は毒!』って本当?
 第5号  フッ素の正しい使い方
 第6号  フッ素はどうして虫歯を予防するの?
 第7号  『ハミガキコ』の話
 第8号  フッ素洗口とは?
 第9号  子どもの歯並びが気になり始めたら
 第10号  歯並びが悪くなる原因(前編)
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 第12号  なぜ虫歯になるの? パート1
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 第16号  「だ液のお話」
 第17号 「だ液と虫歯の関係」
 第18号 「三つの輪のお話」
 第19号 「溝を埋めるお話」
 第20号 「麻酔のお話」