●歯のエナメル質、再生に光 |
強酸使って再結晶化に成功 歯の表面を覆っている |
エナメル質の再生に、FAP美白歯科研究会 |
(東京都)や山梨大などのグループが成功した。 |
24日付英科学誌 ネイチャーで発表する。 |
天然エナメル質の上に、同じ構造の人工エ ナメル質が |
一体化している様子を、電子顕微鏡などで確認した。 |
再 生が可能になれば、初期段階の虫歯の治療や |
予防に役立つと期待さ れる。 |
エナメル質の主成分はハイドロキシアパタイトと呼ばれる物質。 |
高温・高圧でないと、結晶化しにくいため、アパタイトを塗るだけ |
では再生は困難と考えられていた。 |
歯科医師で同研究会の山岸一枝代表らは、アパタイトを強酸の溶
液と |
混ぜてペースト状にし、傷ついたエナメル質部分に塗った。強
酸下では、 |
エナメル質からカルシウムやリンが溶け出してしまうが、 この作用を逆に利用。 |
ペーストをカルシウムとリンが過剰に入った 「過飽和状態」にしておくと、 |
強酸でいったんそれらの成分が溶け 出しても、 |
大量にあるために再結晶化につながる。 |
電子顕微鏡や原 子間力顕微鏡で見ると、天然エナメル質と |
同じ構造で再結晶化し、 エナメル質が再生しているのが分かった。 |
山岸さんは「いったん溶かすという逆転の発想が、 |
いい結果を生み 出した」と話している。 |
●2005年02月24日(木) 今年の2月は? |
歯科関連のトピックスが相次ぎました。 |
歯周病でなくな ってしまった歯を支える骨を再生させる |
治療法のニュースに引き続き、今回の「エナメル質の |
再生」に関するニュース。 |
従来から、フッ素やキシリトール、レーザー治療などによる |
「エナメル質の再石灰化」や「エナメル質の強化」が行なわれてきましたが、 |
決し て確実性のある治療法・予防法ではありませんでした。 |
統計上での効果は認められるものの、個人の条件によって結果が |
左右さ れるため、効果があがらない方も多数存在しました。 |
しかし、今回の「エナメル質の再生」は、「天然エナメル質の上に、 |
同 じ構造の人工エナメル質が一体化している」ことから、今までの治療法 とは、 |
一線を画す、まさに「夢の治療法」と言えるかもしれません。 |
現在のところ、くわしい情報は出ていないため、実用化の時期や、 |
具体 的な手法など、わからないところがたくさんありますが、 |
歯科治療・予 防の分野がまったく様変わりする可能性を |
期待させる大ニュースである ことにまちがいありません。 |
■今回のポイントは・・・・ |
「エナメル質の再生」に関するニュース |
以上今回の内容でした。 |
最後までお読みいただきありがとうございました。 |