はじめまして。 たにざわ歯科クリニック 院長 谷澤 和紀と申します。
私がメールマガジン「まぐまぐ」に連載していたものを
  ホームページ用にリメークして登場させました。
注意事項
◎一般の方向けの内容なので、厳密な医学用語は使用してい ません。
医学的な専門性から考えた場合、妥当でない表現があると思いますが、
 なるべく平易な表現を使用するようにしてい ます。
◎体の状態は個人によって異なっています。
◎現在治療中の方は かかりつけの主治医と相談をしてください。

 第31号 「六歳臼歯を知ろう! その1」


●六歳臼歯をじっくり見てみよう!
下顎の前歯から数えて奥へ6番目の歯。
その大きな歯が、小学校に入る少 し前に生え始める
 大人の歯、第一大臼歯(六歳臼歯)です。  
歯の形は、5番目の歯(第二乳臼歯)にとてもよく似ています。
大きさは 二周りほど大きく、すべての歯の中で最大の歯です。  
色もちがいます。
乳歯はやや青白っぽい色調をしていますが、
 永久歯は、 やや黄色味がかった色をしています。   
六歳臼歯には、咬頭(こうとう)という盛り上がり(山)の大きなものが 4つと、
 小さなものが1つの、合計5つあります。  
お子さんの口の中を見てください。
まだ、生えたばかりの場合は、咬頭が 1つだけ顔を見せている状態ですね。
この時期は、「萌出性の周囲炎」とい う歯肉の炎症がおこる可能性があります。  
その後、1ヶ月ほどすると、すべての咬頭が顔をのぞかせて来ますが、
 こ の時期がもっとも危険な時期です。
●咬みあっていない歯は、よごれやすい
よく勘違いされやすいのが、歯はいつ汚れる(汚くなる)のかということ です。
食事をすると、歯は汚れると思っている方がほとんどですね。  
実は、食事をし、上下の歯でよく咬むことで、歯の汚れはきれいにふき取 られ、
 洗い流されていくんです。粘着性の強い食物だけを食べた時は例外で すが、
 バランスのとれた食事を、しかもよく咬んでおこなった後は、
 意外と 歯の表面はツルツルしているものです。  
ここで大切なことは、よく咬むことと、バランスのとれた食事をすること です。
よく咬むということは、強く咬むことではなくて、たくさんの回数を 咬むということですし。
また、バランスのとれた食事とは、繊維性の食物を 必ずとるということです。  
繊維性の食物は、歯についた汚れをきれいにふき取ってくれます。
この作 用を「自浄作用」といいます。   
少し話が見えてきましたか?  
つまり、咬みあっていない歯は、この「自浄作用」が働きませんから、
 汚 れが付着しやすいのです。
●六歳臼歯が咬み合ってくるのは1年後
下顎の六歳臼歯が生え始めてから、
 半年後に上顎の六歳臼歯が生え始めま す。
さらに、下顎の歯と上顎の歯が咬みあうまでに半年。
六歳臼歯が「自浄 作用」を獲得するまでに、合計1年間の月日が必要になります。  
いかがですか?
咬み合っている他の乳歯は、汚れがあまり付着していない のに、
 六歳臼歯だけはずい分と汚れているのが確認できましたか?
今回のポイントは・・・・
  ・六歳臼歯の形を知ろう!  
  ・六歳臼歯の汚れを確認してみよう! 以上今回の内容でした。
 最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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 第1号  予防の時期『3 ・6 ・12の法則』  第21号 「虫歯の進行を止めるお話」
 第2号  フィンランドという国を知ろう  第22号 「歯にくっつくプラスチックのお話」
 第3号  フィンランドの虫歯予防事情

 第23号 「歯を削る機械のお話」

 第4号  『フッ素は毒!』って本当?  第24号 「子供の口臭について」
 第5号  フッ素の正しい使い方  第25号 「おしゃぶりについて」
 第6号  フッ素はどうして虫歯を予防するの?  第26号 「歯の異常について パート1」
 第7号  『ハミガキコ』の話  第27号 「歯の異常について パート2」
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 第9号  子どもの歯並びが気になり始めたら  第29号 「エナメル質の再生」
 第10号  歯並びが悪くなる原因(前編)

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 第12号  なぜ虫歯になるの? パート1
 第13号  なぜ虫歯になるの? パート2
 第14号  なぜ虫歯になるの? パート3
 第15号  「砂糖」のお話
 第16号  「だ液のお話」
 第17号 「だ液と虫歯の関係」
 第18号 「三つの輪のお話」
 第19号 「溝を埋めるお話」
 第20号 「麻酔のお話」